甑島のパワースポット「内川内の滝2」
小さな岩を登り雑木を縫って奥に進むと2段目の滝が落ちる所にたどり着く。岩に囲まれた渓谷の終点である。
落下する流れは一つのときもあれば二つに分かれるときもある。この日は一塊になって落ちていた。
正面の左手奥には一筋の水が落ちる滝があって、運が良い日は三つの流れを見ることができる。 水が落下する手前には、十畳ぐらいの広い石畳があって、岩と山に囲まれた空間は格好の休憩場所である。
集落が賑わっていた時代は、子供達の遊び場でもあった。石畳みで休憩して水分を補給しリンゴを頬張る。歩き始めて約40分が経過していた。
マイナスイオンに包まれた穏やかな空間で、妹は1日中でも過ごせるとしばらく瞑想を続けた・・・
引き返して、内川内の海岸へ移動する。海岸は砂利浜で、波の届かない山側には地層が際立つ堆積岩も火成岩も混在している。
ここの海岸ではかつてはシイラ漁を営んでいた。船を引き上げるための巻取機がすっかり錆び付いて小さなコンクリートの建屋に収まっている。戦時中の昭和17年9月には、出漁したシイラ釣りの船が漂流機雷に触れて爆発し、12歳の男児を含む10名が一瞬にして命を落とす悲劇も発生している。
海岸の左手に海蝕洞があるので、3人で中をくぐった。中間の狭いところを頭を屈めて越すと次第に広くなり波が寄せる渚になっている。
三者三様、それぞれ考えることが違っていた。自分は洞窟の中で8,000万年前の世界にタイムスリップすることを想像していた。妹は、各人がそれぞれ抱えている悩み事や嫌なことを、洞窟を通り抜けることで消し去ることを考えていた。弟は岩に触れることでエネルギーを貰うことを考えていた。
海蝕洞を離れ、遠くに鹿島断崖を見ながら波打ち際を北の方へ歩く。
海蝕洞の反対側には、内川内の方々が「踊石」と呼ぶ大きな平たい岩がある。この岩も地層からなっていて、二枚貝の化石があったとも聞く。訪ねるたびに何か痕跡がないかと周りを観察するのだが無駄なようである。岩の上には無数の小石が乗っている。「踊石」がある場所は波打ち際に近く、台風などの大時化の時は容赦なく波が打ち付け、岩を越えてくる。
「踊石」の上で帰り支度をしながら、3人とも同じ考えでいた。ここ内川内の滝と海岸は、間違いなく”甑島のパワースポット”だと確信していた。
木立の中の「浜道」をゆっくりと新鮮な気持ちで登った。
アクセス
■バスで長浜港から内川内まで 約20分(料金100円)
■バスで瀬々野浦から内川内まで 約22分(料金100円)
■内川内集落から滝まで徒歩で約1時間
■バスの路線及び発車時刻
・南国交通:長浜・瀬々野浦線
長浜港から内川内へ | 内川内から長浜港へ | 瀬々野浦から内川内へ | 内川内から瀬々野浦へ | ||||
長浜港発 | 内川内着 | 内川内発 | 長浜港着 | 瀬々野浦発 | 内川内着 | 内川内発 | 瀬々野浦着 |
7時30分 | 7時50分 | 9時42分 | 10時02分 | 6時45分 | 7時07分 | 7時50分 | 8時12分 |
10時35分 | 10時55分 | 13時32分 | 13時52分 | 9時20分 | 9時42分 | 10時55分 | 11時17分 |
14時25分 | 14時45分 | 15時42分 | 16時02分 | 13時10分 | 13時32分 | 14時45分 | 15時07分 |
16時25分 | 16時45分 | 17時35分 | 17時52分 | 15時20分 | 15時42分 | 16時45分 | 17時07分 |
※上記時刻表は2014年4月の時刻表です。お越し頂く場合、薩摩川内市のりもの情報にてご確認ください。
場所
内川内地区の住所は下甑町瀬々野浦となります。
詳しい案内が欲しい方は、下記にてお問合せください。
■担当は東完治(ひがしかんじ)となります。メールにて返信させて頂きます。